屋根の上を利用した家庭用の太陽光発電装置を設置する場合、ソーラーパネルが発電した電力を交流の家庭用電源に変換するパワーコンディショナー(パワコン)の容量は最大の発電量をカバーすることができる組合わせを選択します。もしもソーラーパネルの最大出力よりもパワコンの最大容量の方が大きければ、発電した電気を無駄にしなくても済むからです。ただし、変換する電力がパワコンの最大出力値付近であればパワコンの変換効率が高くなりますが、電力がパワコンの容量を大きく下回れば変換効率が悪くなってしまいます。太陽光過積載とは、パワコンの容量に対してソーラーパネルの枚数を多めに設置して“過積載”にする手法です。
既に標準的な容量のパワコンを設置している場合には、パネルだけを追加すれば過積載の状態にすることができます。ソーラーパネルとパワコンの設置費用に対して、交流電源として取り出すことができる電気の出力を上げたい場合に太陽光過積載が利用できます。これは、晴れた日の最大発電量の出力値がパワコンの最大出力を少し超えるように、少し多めにソーラーパネルを設置しておきます。太陽光が最も強い時間帯にはソーラーパネルはパワコンの最大発電量を超える電気が発電され、パワコンの能力を超える電力は変換されずに捨ててしまいます。
太陽光過積載はピーク時に電力を一部捨ててしまう代わりに、朝夕や曇りの日などでソーラーパネルの出力値が低い時間帯でも、パワコンの容量に対して多めの電力を変換させることができます。太陽光過積載は光が弱い朝晩の時間帯でも入力値がパワコンの最大入力値に近い状態なので、電力の変換効率が向上します。パネルの最大出力に対して少し容量が少ないパワーコンディショナーを組み合わせることにより、全体の発電効率が向上して設備の設置・維持管理費用を節約することができます。